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人はやはり、人に育てられる。

さる営業との会話…
「制作のTちゃんな、今度クライアントの所へ
 連れて行って下さいって言うねん」
「ほう…そんな事いうてたんや」
「健気やなあ。。。」

いや,
そう感動するほどのことでもない。
まじめにデザインしていれば、いつしかクライアントに
直接ヒアリングしたくなるはずなのだ。

「営業はどうしてこんな馬鹿な話をきいてくるのだろう?」
「クライアントがそういうから?」
「そんなことないだろう!」と、
そのうち
「本当にクライアントはそう言っているのか?」と思い始め、
「こりゃ自分で聞かなければ…」と考え至るのである。

…のである。。。
といいながら片方では、
実は私自身クライアントに会うの嫌だった。

その頃の私の思いとして、
デザインは芸と一緒で、舞台で披露したらそれで終わり。
ブーイングの嵐だろうが、
無視の荒野だろうが、
雨あられの賞賛だろうが、
一切弁解も解説も説明もすべきではない…

演じる側が「今のはあーでこーで…」なんて説明するのは、
格好悪いことこの上ない!と思っていたのだ。

つまり、クライアントの意図を正確に把握して
それを表現したデザインであれば
クライアントの評価はついてくる。
評価されなければ、理解が得られなかったか
単に気に入られなかったか。。
(客のレベルが低い…とまで考えてた。。。笑)

まるで、キーパーと一対一のPK戦のような感覚だった。

でも、こんなのを美学とか言って突っ張るのは
ケツの青い証拠であり、
実際は、私は人見知りをするタイプで
初対面の人と対等に話すなんてことは
気後れして仕方なかったのだ。

しかし、
青いこと言って穴の中に潜り込んでいるままだったら…
ひょっとして今頃デザイナーをやっていたかどうかわからない。
もし続けていたとしても、
凄く守備範囲の狭いデザイナーでしかないだろうと思う。


なぜそう思うのか?

それは、クライアントと会うことで、
自分の想像の範囲の外はいかに広い世界なのか、
それが、どれだけ面白いのかを知ることができたからなのだ。

もちろん「面白い!」と思い至るまで、
限りなく恥もかいたし失敗も繰り返した。

でも…
変な人から悪魔のような人、面倒くさい人や優しい人、
ナイフのように頭の切れる人…本当に色々な人がいて、
その人々もその背景もすべて想定外に面白かった。

もっともそんな人々に揉まれて、昔のようなピュアな部分は
少し摩耗してしまったかもしれない。
ただ良しにしろ、悪しきにしろそんな人間に育ててくれたのは、
置かれた環境で会った様々な人々なのだ。

そして今、
まがりなりにも、デザイナーという肩書きでご飯が食べられるのだから
穴から無理矢理に引っ張り出してくれた人や、
揉んでくれた人々に感謝しなければならない。

人はやはり、人に育てられる。
人は、人と人との関係性の上でしか成長もないし、
生きることさえままならないのだ。

クライアントに直接会うと言うことは、
単に仕事を円滑にするだけではない
とっても大事な意味があると思う。

ひょっとして、毎日素晴らしいグラフィックを目の当たりにして
刺激を受けることよりも、
デザイナーにとって大切な経験かもしれない。

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