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これもデザイン?

先日仕事中のことだった。
「ちょっとごめん!これもデザインですわな?」
と、製版担当者が昨日校了したチラシの刷り出しをもってきた。
その担当者が指差した先は、M100%+Y100%の真っ赤なMB101Uの文字の上に、
K100%の四角いベタが1/3程度かかっているキャッチコピーの部分だった。

印刷に詳しくない方に、説明させていただくと、
真っ赤で、でっかくぶっといゴシック文字の1/3程度に
四角い真っ黒なベタがかかっている状態‥
といえばわかるだろうか。

「ん?ああこれはそうですよ」と私
「そうでっか、ほならこの重なっている部分で、
下の赤字が薄く透けてるのもよろしいでんな」
「?」

この「透けている」について、少し説明させていただくと、
通常4色印刷の場合、インクというのは、100%でべったり塗ったとしても
実は下地が透けて見えてしまうのだ。

たとえば極端な例になるけれど、
赤色を指定していてもその下地に青色があると、紫に見えてしまう。
そのために、赤色として見せたい場合は赤の下地は色を入れないように
しなければならない。

ところが、黒ベタ100%の場合下地の色に影響しない‥と理論上されている。
そのため、黒ベタの下地には色があっても(一応)OKとされているのだ。
(もちろんかなり話を端折ってます)

ところが、その理論どうりに上手くはいかないのが世の常で‥
この場合、黒ベタの中に下地の文字の一部がうっすらと
見えていたのだ。
以前これと同じ現象でトラブルが起きた事が何度かあり、
そのたびにこれは誰が悪いのだ?と問題になったことがあった。
まあ、そんなこともあって印刷部門でもこの件にはピリピリしていて、
わざわざ担当の私のところまで、聞きに来たというわけだった。

と、ここまで状況を書き連ねてきたのだけど、はっきりいうと
個人的には「どーでもえーがな」と思っている。
ただ、こんなことを言うと、
印刷やデザインに携わる者がそれでいいのか!?といわれそうだ。
お前もヤキが回ったなあ。。もっとシビアな仕事しろ!とも言われるかも知れない。

しかし実際のところ、この程度の問題は多くのクライアントの目からすると
「気がつかないレベル」の問題で「売り上げを左右する」ような欠陥ではない。

ただいつも思うのは、こんな「瑣末なこと」でクライアントとトラブルになる
というのは、クライアントとの関係が築けていない証拠だと思うのだ。

本質ではない部分で、クライアントとトラブルになってしまうのは、
それまでに積もり積もった小さな問題が、一気に爆発するからだ。

しかも、それは必ず仕事の終わり方に集中する。
印刷屋の工程でいうと最終の校了、製版、印刷辺りだろう。
見事に一番爆発して欲しくない時期に呼応している(笑)

これを回避するのはコミュニケーションしかない。
クライアントとよく話をし、相手の考え方や、環境や状況など
きっちり把握することが一番なのだ。

そして、今回このチラシのクライアントについては
「これを問題にするタイプではないな」と私は確信していた。
もちろん私は営業ではないのだが、
数回会えば相手の考え方は理解できる。。。と思う。

もっとも、その確信もさることながら、
この時はともかく、印刷現場の担当者を安心させるため、
「大丈夫。デザインですから。」とニッコリ笑って追い返した。
もちろん「デザインの一部」ではないけれど(笑)

ただその後、ため息をつきながらふと思ったりするのだ。
「オレはだんだん、デザイナーから違うモノになってるのでは‥」

もっとも・・・
違うモノというのは一体何なのか、さっぱりわからないのだけれど。。


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