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デザインを学ぶ 2

さて、前回は
「ノンデザイナーズ・デザインブック」を紹介しました。
でも最後に

それよりも、私が伝えたいのは
「デザインの基礎」を学びたいと思った人が、
この本だけで「デザインの基礎」を得た!と勘違いして欲しくない‥

と締めたのです。これはなぜか?

デザインは見た目です。これは真実です。
ただし…
街角に張られているポスター、
コンビニの棚に置かれているパッケージ、
デザイナー作ったモノがユーザーの目の前に現れる時、
そのデザインに対してなんの説明もありません。

どうしてこの色なのか?
なぜこの書体なのか?

ユーザーはそんな情報はまったく持たず、
ただその目で見て
デザインを気に入ったり、無視したりしています。

「ノンデザイナーズ・デザインブック」では、
この見た目の部分の一定のレベルを
克服する初歩のテクニックを教えてくれます。

でも前回かいた「たとえ話」で言うと、
この本の内容だけでは、
カレーの作り方は学べるけれど、
オリジナルなカレーは作れないのです。

そこで
もう一冊の「みんなの生きるをデザインしよう」を
お勧めしたいのです。

http://tinyurl.com/2co9jq

上段の真ん中です。
さて、どんな事がかかれているのか?

著者の菊地信義さんは、ご存じの方も多いと思いますが
本の装幀デザイナーです。
その菊池さんが、小学生に装幀のデザインを作らせる授業を
二日に渡って行った時のことが、この本には描かれています。
元々はNHKのドキュメンタリー番組の企画として行った授業だそうです。

菊池さんが、その授業で行ったこと。
それは、谷川俊太郎の詩を一つ選び、
この詩を綴った本の装幀デザインをするという課題でした。

そして、この課題を進めてゆくその授業は、
デザインを発想するための、
秀逸なトレーニングプロセスになっているのです。

で、あまり内容を書き出すと長くなるので…

この授業で大切なことは、「イメージトレーニング」なのです。
詩を読んで、詩の内容と自分の経験と重ね合わす。
すると、そこからイメージが現れる。

たとえば、
「あなたと手をつなぐこと」という一節を読んで
「あなた」は誰にあたるのか?家族?友人?恋人?…
自分の経験と照らし合わせて、
どのような場面か想像する作業を行うのです。

そしてまた、
ひょっとして、人ではないもの?もっと大きな事?
というように、イメージを広げてゆく練習にもなるのです。
(私個人的にはネタを転がすと言いますが)

初日の授業は、それぞれが出した詩のイメージから
装幀を作るところまでやりました。
じゃあ二日目は?
実はここからが、この授業の真骨頂です。

菊池先生は、皆が初日に作った作品を
すべてボツにしたのでした。
そして、
「生きる」の詩に、自分が思う「生きる」を
一文付け足してきなさいと、宿題を出したのです。

詩は「生きる」ことに対して、より深く考えるための触媒だったのです。
自分自身の「生きる」を見つけ、
そこから自分なりの装幀を作らせることが本当の狙いだったのです。

この後は、小学生の彼らが泉のごとく発想してくるアイデアと
そのアイデアを表現に結びつけられるように、
うまくリードしてゆく菊池先生がいきいきと描かれています。

菊池先生はこう書いています。

イメージを持ち、それを表現するのは芸術家だけではない。
自動車会社の、技術者や営業マンも、今の日本に必要な車は
なんだろうとイメージする。
農業にたずさわる人も、健康な野菜、おいしい野菜はなんだろうと
イメージする。(中略)
多くの人は、イメージを持たないで、世の中の流れにそってゆく。
自動車会社にしたってみんなが車を愛し、つくっているわけではない。
しかし、
ただ給料がいいから、という理由だけでたずさわる人は不幸だし、
そんな人たちがつくるものがあふれる社会は、ゆがんでいくと思う。

どうでしょう。

たぶんこの本を読んでも、すぐデザインの仕事には活かせないでしょう。
この本から、何かの技術を得ようと思えば、
「イメージを持つ方法」でしょうか?
それは、この本をよく読めば習得できるでしょう。
でも、もっと大切なことは、イメージを持つ方法よりも
イメージを持つという行為なのです。

さて、対照的な二冊でしたが、私はどちらも大切な基礎が書かれていると
思います。
でも、デザイナーとして仕事を続けるのであれば、
どちらか片方だけでなく、両方とも読んで欲しいと思います。

「ノンデザイナーズ・デザインブック」 ロビン・ウィリアムス著
「みんなの生きるをデザインしよう」 菊地信義著

http://tinyurl.com/2co9jq

ではでは。。

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